「ビルメンってテスターを使うの?」
実際のビルメン現場でどのように活用するのか、イメージできない方も多いと思います。 私自身も、ビルメンとして働く前は「コンセントの電圧を測るくらいかな?」というイメージしかありませんでした。
しかし、実際の現場ではテスター(マルチメーター)を使う場面がかなり多いです。たとえば、
- ドラムコンセント不良
- 照明不点灯(リモコンリレー不良など)
- リレー・マグネット・補助接点まわりの故障切り分け
- ポンプや空調機の「起動しない」「止まった」などの異常
など、さまざまなトラブル調査の一次対応で活躍します。 この記事では、私が実際にビルメン現場でテスターを使った場面を体験談ベースで紹介しつつ、 「なぜ測るのか」「どこを測ると切り分けが進むのか」を、初心者の方にも伝わるように整理します。
ビルメンでテスターは本当に必要?(結論:一次対応の精度が上がる)
結論から言うと、ビルメンでテスターはかなり重要です。 特に電気系のトラブル対応では「感覚」ではなく「事実(数値)」で切り分けできるかどうかが、対応の速さと正確さを左右します。
たとえば、現場では次のような確認が頻繁に発生します。
- 電圧が来ているか(そもそも供給されているか)
- 回路が断線していないか(導通があるか/ヒューズが飛んでいないか)
- 機器が正常に動作しているか(コイルに電圧がかかるか、二次側に出力が出るか)
ビルメンの仕事では、設備トラブルの一次対応(現場確認・簡易復旧・応急処置・業者手配のための情報収集)を行う場面が多いです。 そのため「なんとなく故障かな?」ではなく、測定して原因を絞ることが大切になります。
私自身も最初はテスターをそこまで使うイメージはありませんでしたが、 現場経験を積むうちに「まず測って確認する」という癖が身についてきました。 この癖がつくと、トラブル対応のストレスが減ります。なぜなら、状況を“言語化(数値化)”できるからです。
【体験談】ドラムコンセント不良の調査(電圧がフラつく原因)
ある日、お客様から次の依頼がありました。
当時の私はまだ経験が浅く、どこを疑うべきか整理できていませんでした。 ただ、そこで役立ったのがテスターです。とりあえず電圧を測って現象を“見える化”することにしました。
すると、電圧が100Vになったり、20Vまで下がったりと、不安定な状態でした。 この結果が出た時点で、「負荷側の機器が悪い」というよりは、供給経路のどこかで接触が怪しいと方向性がつきます。
この時点で考えられたのは、たとえば次のような候補です。
- 接触不良(プラグ、コンセント差し込み、内部端子の緩み)
- プラグ不良(焼け・変形・内部断線)
- 断線気味(ケーブルの折れ・巻き癖・引っ張り)
結果的に、一か八かでコンセントプラグを交換したところ、無事に正常復旧しました。 この時は、初めて「実務でテスターを使って原因調査ができた」という達成感がありました。 資格勉強だけではわからない、“測定して切り分ける意味”を実感した瞬間です。

- まずは「電圧が安定しているか」を見ると、供給側の不具合に気づきやすい
- 電圧が大きく揺れるときは、接触不良・半断線の可能性が上がる
- “交換して直った”でも、測定結果があると納得感と再現性が上がる
【体験談】照明のリモコンリレー不良調査(0Vで不良特定)
ビルの照明では、リモコンリレーが使われていることが多いです。 これは、1つのスイッチで複数の照明を制御したり、複数箇所から照明を操作したりするためです。
住宅では三路スイッチ・四路スイッチを使いますが、大規模施設では回路が複雑になります。 そこでリモコンリレーを使って制御を簡略化する、という構成がよく見られます。
しかし、リモコンリレーが故障すると、次のようなトラブルが発生します。
現場で確認すると、1つのスイッチで複数の照明が消灯していました。 この場合、もちろん球切れやブレーカ、タイマ設定なども確認対象ですが、“まとまって落ちている”ときはリレー系も疑うのが現場感です。
本来は図面を確認して、どのリモコンリレーにつながっているか調べる必要があります。 ただ、急ぎで原因を絞りたい場合、テスター測定が便利です。
リモコンリレーをONにした状態で二次側を測定すると、0Vでした。 これにより、不良箇所を素早く特定することができました。 実際の現場では、このようにテスターを使って効率よく原因を切り分ける場面があります。


- 一次側に電圧が来ているか → 来ている
- ON指令を出した状態で二次側が出ているか → 0V
- 結論:リレー動作・接点不良の可能性が上がる(詳細は図面・現物確認へ)
【体験談】ポンプ・空調機の故障調査(盤内での切り分け)
ポンプや空調機が起動しない時も、テスターは非常に役立ちます。 「機械が壊れた」と決めつける前に、制御側(電気側)で止めているのかを切り分けるだけで、対応がスムーズになります。
たとえば、原因としてよく挙がるのは次のようなものです。
- マグネットスイッチ不良
- 補助接点不良
- サーマル(過負荷)作動
- 制御回路の断線/端子緩み
- インターロック(安全回路)が成立していない
実際の現場では、盤内のシーケンス図を確認しながら測定を行います。 そして、ブレーカーをOFFにした状態で導通チェックを行う場面も多いです。
導通チェックでは、一般的に次のような判断ができます。
- 0Ω(またはブザーが鳴る) → 電気的につながっている
- OL表示 → 電気的につながっていない(断線・開放の可能性)
この確認を行うことで、接点不良・断線・部品故障などを発見しやすくなります。 シーケンス図とテスターを組み合わせることで、故障調査の精度がかなり上がると感じています。

導通チェックの基本(OL表示・ブザーの意味)
導通チェックは、ビルメンでもよく使う測定方法です。 特に、次のような場面で活用します。
- ヒューズ切れの確認
- 接点不良の確認(ONしているのに繋がらない等)
- 断線確認(ケーブル・端子・コネクタ)
テスターの導通モードでは、回路がつながっていると「ピー」という音が鳴る(または低抵抗表示が出る)ことが多いです。 慣れてくると音だけで確認できるので便利です。
私自身も、現場では電圧測定より導通チェックを使う場面が多い印象があります。 理由はシンプルで、「電源OFFで安全に確認できる領域」が多いからです(もちろん現場手順に従う前提)。
私が使っているおすすめテスター(携帯性と現場目線)
私が普段使用しているのは、こちらです。
このテスターは、現場で持ち歩くことを前提にしたときに、かなり相性が良いと感じています。 特にビルメンは、巡回・点検・突発対応で移動が多いので「ポケットに入る」「軽い」という要素が想像以上に効きます。
- 胸ポケットに入るコンパクトサイズ
- 導通チェックがしやすい
- 軽量で持ち運びしやすい
- 現場向けで使いやすい
- 携帯性(胸ポケット・腰袋に入るか)
- 導通ブザーの聞き取りやすさ
- レンジ切替(オートレンジの有無)
- 表示の見やすさ(暗所での視認性)
- 現場での耐久性(落下・汚れへの強さ)
よくある質問(ビルメン×テスター)
Q1. ビルメン初心者は、まず何を測れるようになるべき?
現場の一次対応としては、「電圧が来ているか」「導通があるか」の2つができるだけでも切り分けが進みやすいです。 ただし測定対象や手順は現場ルールが最優先なので、必ず指示の範囲で実施してください。
Q2. 電圧測定と導通チェック、どちらが出番が多い?
私の体感では、導通チェックの出番が多いです。電源を落として安全に確認できる場面が多く、 ヒューズ・接点・断線など「ありがちな原因」を素早く潰せるからです。
Q3. テスターがあると、業者へ説明するときも役立つ?
かなり役立ちます。たとえば「ON指令時に二次側0V」「この区間で導通なし」など、 測定結果を添えて伝えると、業者側も状況を把握しやすく、結果的に復旧が早くなることがあります。
まとめ(テスターは“現場の言語”になる)
ビルメンの仕事では、テスターを使う場面が意外と多くあります。 特に、次のようなシーンでは非常に役立ちます。
- 電圧確認
- 導通チェック
- 故障調査(一次対応の切り分け)
- リモコンリレー確認
- マグネットスイッチ・補助接点の確認
最初は難しく感じるかもしれませんが、実際に現場で使うことで少しずつ慣れていきます。 私自身も、最初は「テスターって本当に使うのかな?」と思っていました。 しかし、実務経験を積むうちに、今では常に胸ポケットに入れて持ち歩くようになりました。
ビルメンを目指している方や、電気系設備に興味がある方の参考になれば嬉しいです。