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配管の振動音(ブーン)の原因は湧水ポンプの連続運転だった|止まらない時の切り分けと対処法

「工事の音がうるさい」と思ったら、実は配管が振動している“ブーン”という異音だった――。 ビルメン(設備管理)をやっていると、こういう「勘違いしやすい異常」に出会うことがあります。

今回は、地上12階・地下3階の建物で起きた地下3階の大きな振動音の事例です。 結論から言うと、原因は隣の工事ではなく、湧水ポンプが連続運転しており、その振動が配管に乗って大きな音として出ていました。 さらに根本原因は、水位検知の電極棒(電極)に汚れが付着して誤検知し、ポンプに運転信号が出続けていたことでした。

📌 先に結論(この事例のポイント)

  • 「工事音っぽい振動音」でも、実際はポンプ・配管振動が原因のことがある
  • 異音対応は音の発生源を特定 → 機器の運転状況確認が基本(思い込みで片付けない)
  • 湧水ポンプが止まらない場合、水位検知(電極棒)の汚れが原因になることがある
  • 水槽内作業は酸素濃度測定など安全確認が最優先(酸欠事故リスク)

地下3階で「ブーン」と大きな振動音(工事音に見えた)

私が以前勤めていたビルメン会社での話です。地上12階・地下3階建ての建物で、ある日待機中にお客様から電話が入りました。

「地下3階の〇〇室で、デカい振動音がする」

私と上司で現場に駆けつけると、確かにブーンという大きな振動音がしていました。

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その時、上司は「隣の工事の音が響いているのかもしれない」と説明して対応していました。 ただ私は、正直この時点で嫌な予感がありました。

「1階の屋外工事の音が、地下3階までここまで響くかな…?」

この“違和感”が、結果的に原因特定につながりました。


「本当に工事音?」と思って単独で原因を追った

上司が工事音の可能性を説明している間も、私は気になってしまい、1人で原因を探ることにしました。

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異音・振動音対応で大事なのは、最初に「それっぽい理由」で片付けずに、発生源を特定することだと今は思います。 (もちろん安全が最優先で、危険箇所に無理に入らないのが前提です)


PS内の配管が振動していた(発生源の特定)

いろいろなところを見た結果、お客さんから依頼があった〇〇室のPS(パイプスペース)から大きい音がしていることが分かりました。 鍵を開けて確認したところ、配管からデカい振動音が出ていました。

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「配管が鳴っている」ということは、配管自体が原因というより、上流または下流のポンプ運転・流体の乱れ・キャビテーション・共振などが疑わしくなります。 当時ビルメン歴1年半の私は、そこまで切り分けの引き出しがなく、急いで防災センターへ戻りました。

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マンホール内のポンプが連続運転していた

上司に見てもらったところ、「マンホールの開閉工具を持ってきて」と言われました。 工具を持っていき、上司と一緒に開けて確認すると、ポンプから音が鳴っていることが分かりました。

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上司いわく、湧水ポンプがずっと運転しているとのこと。 そこで動力盤の操作スイッチを「手元」にして停止したところ、振動音が止まり、お客様も「静かになった」と安心されていました。

ここで学べるのは、「音の正体」が工事音ではなく設備の連続運転だったという点です。 見た目・先入観だけで判断すると、対応が遅れてしまう可能性があります。


応急復旧:湧水ポンプを停止→電極棒に水をかけた

次に上司は、バケツの水を持ってきて、電極棒(水槽内の水位を感知してポンプに指令を送る装置)に水をかけはじめました。

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「ポンプに運転信号を送っている電極棒に汚れが付着して、誤検知している可能性がある」という仮説で、水を2回ほどかけたそうです。 その後、操作スイッチを「手元」から「遠方」に戻して定位置に戻したら、ポンプは停止して復旧しました。

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この段階では「止まったからOK」に見えますが、実際はここから再発しました。


再発…1週間後・3週間後も同じ(根治は電極棒清掃)

ひと安心したのも束の間、1週間後・3週間後に同じことが繰り返し起きました。

最終的に上司はマンホールを開け、水槽の中に入り、電極棒を1本ずつウエスで抜き清掃。 その結果、再発することはなくなりました。

原因が「電極棒の汚れ」だった場合、軽く水をかける応急処置では一時的に良くなっても、汚れが残っていれば再発しやすい――というのが実務あるあるだと思います。

この事例の“本質”
  • 振動音の正体は「配管」ではなくポンプ連続運転
  • ポンプ連続運転の背景は水位検知の誤検知(電極棒の汚れ)
  • 応急処置で止まっても、原因が残っていると再発する

重要:水槽内作業は酸素濃度測定が必須(酸欠リスク)

ただし、今の私はこのやり方(水槽にそのまま入る)はダメだと思っています。 理由は、水槽の中に入る前に酸素濃度を測定していなかったためです。

もし仮に酸素濃度が18%以下で、そのまま中に入っていたら酸欠状態になり、最悪の場合は死亡するおそれがあります。

酸素濃度の目安(一般的な目安)
  • 18%【安全限界】 この数値を下回ると酸欠とみなされる
  • 18〜16%:連続換気や呼吸用保護具の準備が必要(息切れ・脈拍増加など)
  • 16〜12%:頭痛、吐き気、筋力低下。計算ミスや集中力低下が出やすい
  • 12〜8%:めまい、嘔吐、判断力低下。失神の危険が高い
  • 8%未満:数分で意識喪失。治療が遅れると死亡リスク
  • 6%以下:一呼吸で昏倒する即死レベル

そのため、水槽内に入る作業は酸素濃度を測り、18%以上であることを確認してから実施すべきだと思います。

もし酸素濃度計がない場合は、汚水槽清掃業者が作業時に使用しているので、借りられないか相談するのも一案です(ただし現場ルール・会社ルール優先)。

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注意:

閉鎖空間(マンホール・水槽・ピット等)作業は重大事故につながります。この記事は体験談であり、作業手順の指示ではありません。必ず現場の安全手順・法令・会社ルール・有資格者の指示に従ってください。


現場確認リスト(異音・ポンプ連続運転の切り分け)

最後に、今回の経験から「次に似た事象が起きた時」に自分が使うための確認リストをまとめます。

現場確認リスト
  • 音の出ている場所を特定する(壁越し・PS・機械室・ピットなど)
  • 配管が鳴っている場合、近くのポンプの運転状況を確認する(連続運転していないか)
  • ポンプがエアを噛んでいる音(ガラガラ・ゴロゴロ等)なら、電流値が定格より上で運転していないか確認する
  • 安全を確保してポンプを停止し、水槽内(水位・流入・汚れ)を確認する
  • 水位検知が電極棒なら、電極棒の汚れの有無を確認(可能なら清掃)
  • 復旧しない場合は、制御盤のシーケンス図を見てマグネットスイッチ等に異常がないか確認
  • それでも解決しない場合は、上司に相談/専門業者に調査依頼

まとめ

今回は「工事の音」だと思われた地下の大きな振動音が、実は湧水ポンプの連続運転による配管振動だった事例を紹介しました。

この経験で一番大きかった学びは、次の4つです。

  • 何が起きても勝手に決めつけず、疑いを持って調査する
  • 分からないことは1人で抱え込まず、相談して早期解決する
  • 作業は「本当にやっていいか」を確認してから行う
  • 水槽内作業は必ず酸素濃度を測定し、18%以上を確認してから入る

異音・振動は「お客様の不安」に直結します。だからこそ、原因を見誤らず、再発防止と安全まで含めて対応できるように経験を積んでいきたいと思います。

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