
ビルメン(設備管理)の求人を見ていると、たまに「警備兼任」「受付兼任」などの文字を見かけます。一見すると「人手が足りない現場で、マルチに動く仕事かな?」くらいに見えますが、実際に入ってみると想像以上に覚えることが多く、向き不向きがハッキリ出る働き方でもあります。
この記事では、私が以前の会社でオフィスビルの現場で警備兼任ビルメンとして3ヶ月働いた体験をもとに、仕事内容(宿直・日勤の流れ)、警備員になるための準備、新任教育(講習)、大変だったこと、良かったこと、そして辞めた理由までまとめます。
結論から言うと、警備業務を経験できたのは貴重でしたが、私は環境と相性が合わず退職しました。ただ、今は警備員さんに感謝しながら働けるようになったので、経験そのものは無駄ではなかったと思っています。
📌 先に結論(この体験談の要点)
- 警備兼任ビルメンは、設備管理だけでなく受付・防犯・巡回・落とし物対応など業務範囲が広い
- 現場によって「日勤=設備」「宿直=警備」で分かれていても、結局兼任として覚える量が多い
- 求人内容と実際の配属が違うケースもあるため、応募前の確認が超重要
- 警備の仕事を経験すると、ビルメンの視点が増え、警備員さんへの見方が変わる
警備兼任ビルメンとは?(設備+警備の働き方)
私が働いていた現場は「警備兼任ビルメン」でした。ただし、設備と警備を毎日どちらもやるわけではなく、
- 日勤の人が設備業務
- 宿直の人が警備業務
という形で分かれていました。とはいえ、兼任現場なので「警備側の仕事」「設備側の仕事」両方の理解が求められ、覚えることは多いです。
なぜ警備兼任ビルメンになったのか(求人と違った話)
当時、転職先を探していた私は、オフィスビルを管理している系列ビルメン子会社の面接を受けました。最初の求人内容は「設備管理だけ」で、8人体制・宿直2人の現場という話だったので「これは良さそう」と思って応募しました。
私は当時、エネルギー管理士、第二種電気工事士、第三種冷凍機械責任者、ボイラー2級、危険物乙4を持っており、ビルメン歴3年。面接後2時間で電話が来て、あっさり内定が出ました。
しかし、いざ会社で書類を受け取りに行くと「実務経験3年あるなら、別現場で警備兼任ビルメンをやってほしい」と依頼されました。本来は求人内容と違うので辞退するのが正解だったと思いますが、転職活動を続けたくなかった私は引き受けてしまいました。
「求人内容と違う配属を勧められる」は珍しくありません。ここで納得できないなら、無理に飲まないほうがいいです。
警備員になる前に準備したこと(必要書類)
警備員として働くには、入社時に準備が必要でした。私が求められたのは主にこの3つです。
- 住民票(本籍地記載のもの)
- 身分証明書(市区町村で発行されるもの)
- 医師の診断書(業務に支障がないことを証明するもの)
この中で一番大変だったのが住民票でした。一人暮らしだと、本籍地記載の住民票を実家側の市役所で取る必要があり、遠くまで行くのが面倒でした。
警備員講習(新任教育20時間)を受けた
警備員になるためには、新任教育(合計20時間)を受ける必要があります。講習では例えば次のような内容を学びました。
- 警備員の歴史
- 警備員の種類
- 受付業務の注意点
- 拾得物(落とし物)の対応
- 技能(警棒など)
私の時はコロナの影響で、技能はほぼ座学で終わりました。試験も特になく、3日間であっけなく終了しました。
配属現場の体制(統括・主任・宿直・日勤)
配属されたのは、大規模すぎないオフィスビルでした。体制は以下の通りです。
- 統括管理者:1名
- 主任:1名
- 宿直(警備員):1名
- 日勤(設備):2名
シフトは「日勤 → 宿直 → 明休み → 休み」の繰り返しが多かったです。お金が欲しい人は、明休みに巡回ビルメンの手伝い(応援)をして残業代を稼ぐ人もいました。
宿直(警備員)の1日の流れ(タイムスケジュール)
宿直(警備員)の1日は、ざっくりこのような流れでした。
- 8:30 朝礼
- 9:00 開館作業(自動ドア開錠・運転など)
- 9:30 巡回
- 10:30 受付+監視カメラ監視
- 12:00 昼食
- 13:00 受付+監視
- 15:00 巡回
- 16:00 夕食
- 17:00 閉館作業(関係者出入口など)
- 17:30 夕礼
- 〜 受付+監視+待機(設備がいないため修繕依頼があると対応)
- 19:00 完全閉館(シャッター閉)+巡回
- 20:00 監視+待機
- 22:00 最終巡回
- 23:00 空調・照明のモニター確認 → 停止/消灯、セキュリティ確認、日報作成
- 0:00 シャワー → 仮眠
- 6:00 起床 → 朝の検針
- 7:00 検針値を日報にまとめる
- 7:30 シャッター開 → 受付開始
- 8:30 朝礼 → 日報・引継ぎ → 帰宅
「監視・受付」が多いですが、注意や説明が必要な場面も多く、精神的には疲れやすい仕事だと感じました。
日勤(設備)の1日の流れ(巡視・点検・受付)
日勤(設備)側はこのような流れでした。
- 8:30 朝礼
- 9:00 警備員が作業している間、1人が受付・もう1人が設備巡視
- 巡視:受水槽・汚水槽・消火ポンプなどの異常確認、受変電の日常点検、電圧電流記録(屋上のため雨天中止)
- 10:30 待機
- 12:00 警備員昼食 → 受付代行
- 13:00 昼食
- 14:00 月例点検
- 15:00 待機
- 16:00 警備員夕食 → 受付代行
- 17:30 夕礼 → 帰宅
修繕対応は、トイレ詰まりが時々あった程度で、大きなトラブルは少なかったです。
警備業務で大変だったこと(きつかったポイント)
警備業務できつかったのは「注意」「説明」「判断」が多いことでした。私が大変だと感じたのは主にこのあたりです。
- 路上喫煙や無断駐輪などを注意する必要があり、罵倒されることがあった
- 機械式駐車場の監視が必要で、うまく駐車できていない場合は声掛けが必要(放置すると次の人が入れない)
- 落とし物対応で「これは拾得物か?」判断が難しいものがある
- 土日出勤者の入館対応が面倒(一般の従業員が入れないケース)
- 扉の開放が長いと遠隔モニターが反応するため、利用者への説明が必要
こういう経験をしたことで、今ビルメンとして働いている私は、警備員さんに日々感謝して仕事をするようになりました。
警備兼任ビルメンで良かったこと(学べたこと)
しんどいことは多かったですが、得たものもあります。
- 警備業務を経験できた
- 関係者のセキュリティカード登録・解除などを学べた
- 警備と設備で「巡回の視点」が違うと分かった
ビルメン(設備)の視点
- トイレの詰まりがないか
- 水が流れっぱなしになっていないか
警備の視点
- ドアが閉まりっぱなしで急病人がいないか
- ゴミ箱の中に不審物がないか
「設備だけ」だと気づきにくい視点が増えたのは、今の仕事にも活きています。
辞めた理由(覚える量+人間関係)
辞めた理由は、覚える仕事の量が多かったことと人間関係です。設備と警備の両方を覚える必要があり、教える人によってやり方が違うため、怒られることが増えました。
例えば、巡回ルートを覚えるのを優先すると「異常も探せ」と怒られ、資格を複数持っていることで責任者に知識でマウントを取られたり、仕組みを聞かれて答えられないと「資格持っているのに」と言われたりしました。
最終的には「資格詐欺」と言われて落ち込み、嫌なことが積み重なって退職しました。
その後に残ったこと(恐怖心・気づき・救われた言葉)
この経験のあと、私には以下が残りました。
- ビルメンで働く恐怖心(辞めようかと思った時期)
- 自分がADHDかもしれないと気づき、精神科に行く決意をした
他業種(工場勤務など)も考えましたが、最終的に「自分にはビルメンしかない」と思い、パートで勤務することにしました。
その時、パート先の責任者から言われた言葉に救われました。
「ビルメン歴は3年か。でも現場でルールは違うから、ここは一から覚えていってください。」
この言葉で「できない自分」を責めすぎず、またやっていこうと思えました。
ビルメン転職活動のチェックリスト(注意点)
今回の経験から、ビルメンで転職する場合に「これは注意したほうがいい」と感じたポイントをまとめます。
- 求人内容と違う配属を勧められる(断る勇気も必要)
- 面接後、数時間で内定連絡が来る会社は警戒(人が定着していない可能性)
- 頻繁に求人を出している会社は、離職率や現場の問題を疑う
もちろん「早い内定=悪」ではありませんが、早いほど“理由”は確認したほうが安全です。
まとめ
警備兼任ビルメンは、設備管理だけでなく受付や防犯業務も担当します。業務範囲が広く覚えることは多いですが、警備と設備の両方の視点を学べる貴重な経験でした。
一方で、求人内容と実際の配属先が違う場合もあるため、応募前に確認すべきことは多いです。これから応募する方は「誰が何をやる現場なのか(設備と警備の分担)」を、できるだけ具体的に確認することをおすすめします。
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