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ビルメンの停電対応で大混乱…瞬時停電から学んで復電手順書(チェックリスト)を作った話【体験談】

ビルメン(設備管理)の現場では、台風や落雷などの影響によって停電が発生することがあります。 停電というと「長時間の停電」を想像しがちですが、実際には数秒程度の瞬時停電が起きることもあります。

瞬時停電が発生すると、不足電圧継電器(27)が動作し、機器の誤動作や損傷を防ぐために主電源を安全に切り離すことがあります。 電気が戻ったからといって、建物の設備が自動的に全部元通りになるとは限りません。

今回は、実際に瞬時停電が発生した際の出来事と、その経験から復電手順書(チェックシート)を作成したお話をします。 「停電対応って何から確認すればいいの?」と悩んだことがある方の参考になれば幸いです。

📌 先に結論(停電対応で一番大事だと思ったこと)

  • 停電対応は「電気が復旧したら終わり」ではない。後日不具合が出ることがある
  • 監視システムだけでは見つからない異常もあり、現地確認と巡回が重要
  • 着任直後の人でも迷わないよう、復電手順書(チェックリスト)を作ると現場が強くなる
  • 受変電設備の詳細は電気主任が確認するとしても、設備員側は「利用者影響が大きい設備」を優先的に確認できると良い

瞬時停電とは?(不足電圧継電器27が動くとどうなる)

瞬時停電は、文字通り「一瞬だけ電気が落ちる」停電です。 停電時間が短いので一見軽く見えますが、建物側の設備では警報が大量に出たり、設備が停止したまま戻らないことがあります。

瞬時停電が発生すると、不足電圧継電器(27)が動作し、機器の誤動作や損傷を防ぐために主電源を安全に切り離すことがあります。 電気主任技術者が履歴を見て「27が正常に動いている=停電を正しく検知している」と判断する材料にもなります。

ただし重要なのは、電気が復旧しても「建物の設備が全部自動復帰する」とは限らないことです。 そのため、復電後の確認(復旧確認)が必要になります。


台風による瞬時停電が発生(警報だらけの朝)

その日は台風の影響により、一時的に送電が途絶えました。 停電時間は短く、すぐに電力は復旧しましたが、遠隔監視システムには多数の警報が発報されました。

警報は機械警備会社と電気主任技術者へ自動的に送信される仕組みになっています。 発報を確認した電気主任技術者は履歴を確認し、

「受変電設備の不足電圧継電器(27)が正常に動作している。停電は認識できているので、まずは現場を確認しよう」

と判断して現場へ向かいました。

現場に到着すると、すでに機械警備員が駆けつけていました。 ただし、設備の詳細までは分からないため、警報の復旧や設備確認は電気主任技術者が行うことになりました。


停電後に確認した設備(ポンプ・監視・エスカレーター)

まずは電気室で受変電設備を確認し、その後、

  • 給水ポンプ
  • 雑用水ポンプ
  • 消火ポンプ
  • 排水ポンプ

などが正常運転しているかを確認しました。 停電後は「動いていないと困る設備」から順番に確認するのが大事だと感じます。

遠隔監視システムの通信異常

点検を進めていく中で、遠隔監視システムの通信異常が発生していることが分かりました。 このシステムは熱源設備や空調設備を遠隔操作するための重要な設備です。

監視画面の警報内容を確認すると、異常が発生している場所が表示されていました。 現地へ向かうと制御盤内のブレーカーがトリップしており、復旧操作を実施したところ通信異常は解消されました。

エスカレーターが停止していた

さらに館内を確認していると、エスカレーターが停止していることが判明しました。 エレベーターは遠隔監視されていますが、エスカレーターは現地で直接確認しなければなりません。

現場へ向かい確認したところ、エスカレーターは停止したままになっていました。 操作キーで一度停止操作を行い、その後再起動したところ正常に運転を再開しました。


着任したばかりの電気主任が苦戦した理由

しかし、その電気主任技術者は着任したばかりでした。 受変電設備の確認はできても、建物全体の設備をどこまで確認すれば良いのか悩んでいたそうです。

そんな時、別の設備員が台風被害を心配して早めに出勤してきました。 状況を説明し、一緒に設備確認を行うことになりました。

ここがポイント

電気主任でも、着任直後は「建物側の設備(何がどこにあるか/優先順位)」が分からないと判断が難しい。

だからこそ、停電対応は“個人技”より手順書・チェックリストで組織化した方が強いと感じました。


当日では分からなかった…後日発覚した不具合

停電当日は大きな異常はないと判断されました。 しかし後日、さらにいくつかの不具合が見つかりました。

機械式排煙窓の表示異常

巡回点検を行っていた設備員が、機械式排煙窓の操作表示盤が「開」の状態になっていることに気付きました。 確認したところ、排煙窓を閉操作することで正常状態へ復旧しました。

ただし、排煙窓は閉操作だけで復旧しない場合もあります。 その場合は、

  1. 一度「開」にする
  2. その後「閉」にする

という操作で復旧することがあります。 ただし排煙窓を開放するため、雨天時や強風時は十分注意が必要です。


【体験談】電気室が暑い…空調制御停止に気づいた話

さらに後日、私が巡回点検を行っていた際に別の異常を発見しました。 電気室へ入った瞬間、

「いつもより暑い」

と感じたのです。

そこでアスマン通風乾湿計を使用して室温を測定したところ、電気室内の温度は32℃台まで上昇していました。

電気室には、

  • 受変電設備
  • 変圧器
  • 直流電源装置
  • 蓄電池設備

などの重要設備があります。 このままでは設備へ悪影響を及ぼす可能性があるため、すぐに電気主任技術者へ報告しました。

制御専門業者へ確認してもらったところ、空調制御システムの通信異常が原因で正常に動作していないことが判明しました。

私は「通信異常なら警報が出るのではないですか?」と質問しました。 すると業者からは、

「この設備は別の監視システムから確認できます。遠隔で復旧も可能なので連絡をいただければ対応できます。」

との説明を受けました。 その後、遠隔復旧によって空調設備は正常運転へ戻り、電気室の温度も改善されました。

ここで痛感したこと

「監視に出ない異常」や「別系統の監視でしか見えない異常」は普通にある。

だから停電後は、警報復旧だけでなく現地での感覚(暑い・臭い・音が変)も重要だと思いました。


今後のために復電手順書を作成(優先順位の考え方)

今回の停電対応を通じて、私は今後同じような事象が発生した際、このままでは電気主任技術者や設備員が困ってしまうのではないかと考えました。 そこで停電発生時の復電確認手順書を作成することにしました。

手順書は誰が見ても分かるように図解を入れ、チェックシート形式で作成しました。 作成にあたっては電気主任技術者へ内容を確認してもらいながら進めました。

私は受変電設備の確認ポイントも細かく掲載した方が良いのではないかと相談しました。 しかし電気主任技術者からは、

「受変電設備は現場に到着した時点で直接確認する。まずは建物利用者へ影響する設備や今回実際に不具合が発生した設備を優先的に確認できるようにした方が良い。」

とのアドバイスをいただきました。

そのため手順書には、今回実際に発生したトラブルを中心に、優先順位が分かる形で掲載しました。


復電手順書に入れたいチェック項目(テンプレ例)

ここからは、今回の経験をもとに「復電手順書に入れておくと強い」と感じた項目をテンプレとしてまとめます。 (※現場の設備や運用ルールに合わせて調整してください)

復電チェックリスト(例)
  • エレベーター閉じ込めの有無(最優先)
  • エスカレーター運転確認(現地でキー操作が必要な場合あり)
  • 排煙窓の状態確認(表示盤が「開」になっていないか)
  • 遠隔監視設備の通信状態確認(トリップ・復旧操作)
  • 電気室空調の運転確認(暑さ=異常のサインになり得る)
  • 給水ポンプ/雑用水ポンプ/排水ポンプの運転確認
  • 消火ポンプの状態確認(警報・盤表示など)
  • 当日だけでなく翌日以降の巡回で再確認(後日発覚対策)

停電対応は「一度確認して終わり」ではなく、後日発覚の不具合を拾うためにも、翌日以降の巡回で“止まってないか”を見直すのが重要だと思いました。


よくある質問(FAQ)

Q1. 瞬時停電でも、そんなに確認が必要?

必要だと思います。電気がすぐ戻っても、監視の通信異常やエスカレーター停止のように「戻らない設備」が出ることがあります。

Q2. 復電手順書は電気主任が作るべき?

受変電設備の細かい確認は電気主任の領域でも、建物全体の「利用者影響設備の確認」は設備員も含めて共有した方が強いです。誰が見ても分かるチェックシートにすると、着任直後でも動きやすくなります。

Q3. 監視に出ない異常はどうやって気づく?

巡回での感覚(暑い・臭い・音が変)や現地表示が頼りになることがあります。監視だけで完結しない前提で、重要箇所は現地確認を入れるのがおすすめです。


まとめ

今回の経験を通じて学んだことは、停電対応は電気が復旧したら終わりではないということです。 停電当日に問題がなくても、後日になって通信異常や設備停止が発覚することがあります。 また、監視システムだけでは見つからず、巡回点検によって初めて発見できる異常もあります。

設備管理では設備を復旧するだけではなく、次に同じことが起きた時に誰でも対応できる仕組み(手順書・チェックリスト)を作ることも大切です。 今回作成した復電手順書が、今後の停電対応に少しでも役立てば良いなと思っています。

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